2011年 10月 17日
どのような蕎麦屋を目指すのですか? |
この数ヶ月このブログに「蕎麦屋 経営」というワードでの検索が急に増えました。
それだけ蕎麦屋経営が難しい時代になってきているのだと思います。
今までは1〜2年に1軒ぐらいだったのですが、今年に入ってから蕎麦屋の新規開業に関する相談もいくつか受けました。
蕎麦や蕎麦打ちについて質問されることも多いのですが、自分は蕎麦打ち名人というわけでもないし、自分の好きな蕎麦を打っているだけなので、大概相談を受けるというよりも16年間の蕎麦屋経営の中で感じる話をさせていただきました。
趣味で蕎麦屋をやれるような資産がないのであれば、色々なリスクを背負って開業する以上事業として継続していかなければ意味はないわけですから、
「どのような蕎麦屋を目指しているのですか」
「売上計画をどのぐらいで立ててますか」
という質問は必ずさせていただきました。
「どのような蕎麦屋を目指しているのですか?」
「自分が美味しいと思う蕎麦を提供して、口コミで少しずつでもお客様を増やしていければ・・・」こんな答えがよく返ってきます。
勿論この考え方は自分もそうですし間違っているわけではありません。
ただそれでは誰に売るのか明確になっていないのです。
蕎麦の愛好家なのですか?
近隣の家族連れなのですか?
オフィスに勤めるサラリーマンなのですか?
拙店の場合京都で店を開業するに当たって、
一言でいえば「食べることが好きな方々」
家族でもカップルでも一人でもいい、「今日の夕食どこにしよう」と考えた時に、和食やイタリアン、フレンチなどのいくつかの候補の中で、選択肢の一つに選んでもらえるような蕎麦屋を目指しました。
そのような蕎麦屋を考えた時に、京都には手頃な和食屋さんがたくさん存在していたので、「和食×蕎麦」よりも「和食ベースのジャンル自由×蕎麦」のほうが面白いと考えたのです。
また「食べることが好きな方々」は雑誌を見るか、知り合いの紹介で新規の飲食店を開拓すると考えたので、開業した際はメディアに面白いと思ってもらえるような切り口をいくつも準備したり、京都の様々なジャンルのレストランに出向いて食事をして、帰りがけにシェフと名刺交換させていただきました。
それから数ヶ月経っていくつもの雑誌から取材を申し込まれましたし、シェフが直ぐに来店してくれたり、自分のところのお客様に紹介していただいたり、自分のお気に入りの店として雑誌に紹介していただいたり、ほんとうに短期間で自分が考えたお客様が増えていきました。
もし「蕎麦愛好家」の方々を対象としていたならば、著名なライターさんが紹介するような全国各地の蕎麦屋に出向いて、ご主人と名刺交換させて頂いて蕎麦談義などしていたと思います。そんなご主人が「面白い蕎麦屋があるよ」なんて発信してくれたら広がりも早いですから・・・
誰に向かって商売をするのかによって提供する商品やサービスも異なってきます。
またそれが明確であればあるほどそのようなお客様をスピーディに獲得する術もはっきりとしてきます。
(続く)
それだけ蕎麦屋経営が難しい時代になってきているのだと思います。
今までは1〜2年に1軒ぐらいだったのですが、今年に入ってから蕎麦屋の新規開業に関する相談もいくつか受けました。
蕎麦や蕎麦打ちについて質問されることも多いのですが、自分は蕎麦打ち名人というわけでもないし、自分の好きな蕎麦を打っているだけなので、大概相談を受けるというよりも16年間の蕎麦屋経営の中で感じる話をさせていただきました。
趣味で蕎麦屋をやれるような資産がないのであれば、色々なリスクを背負って開業する以上事業として継続していかなければ意味はないわけですから、
「どのような蕎麦屋を目指しているのですか」
「売上計画をどのぐらいで立ててますか」
という質問は必ずさせていただきました。
「どのような蕎麦屋を目指しているのですか?」
「自分が美味しいと思う蕎麦を提供して、口コミで少しずつでもお客様を増やしていければ・・・」こんな答えがよく返ってきます。
勿論この考え方は自分もそうですし間違っているわけではありません。
ただそれでは誰に売るのか明確になっていないのです。
蕎麦の愛好家なのですか?
近隣の家族連れなのですか?
オフィスに勤めるサラリーマンなのですか?
拙店の場合京都で店を開業するに当たって、
一言でいえば「食べることが好きな方々」
家族でもカップルでも一人でもいい、「今日の夕食どこにしよう」と考えた時に、和食やイタリアン、フレンチなどのいくつかの候補の中で、選択肢の一つに選んでもらえるような蕎麦屋を目指しました。
そのような蕎麦屋を考えた時に、京都には手頃な和食屋さんがたくさん存在していたので、「和食×蕎麦」よりも「和食ベースのジャンル自由×蕎麦」のほうが面白いと考えたのです。
また「食べることが好きな方々」は雑誌を見るか、知り合いの紹介で新規の飲食店を開拓すると考えたので、開業した際はメディアに面白いと思ってもらえるような切り口をいくつも準備したり、京都の様々なジャンルのレストランに出向いて食事をして、帰りがけにシェフと名刺交換させていただきました。
それから数ヶ月経っていくつもの雑誌から取材を申し込まれましたし、シェフが直ぐに来店してくれたり、自分のところのお客様に紹介していただいたり、自分のお気に入りの店として雑誌に紹介していただいたり、ほんとうに短期間で自分が考えたお客様が増えていきました。
もし「蕎麦愛好家」の方々を対象としていたならば、著名なライターさんが紹介するような全国各地の蕎麦屋に出向いて、ご主人と名刺交換させて頂いて蕎麦談義などしていたと思います。そんなご主人が「面白い蕎麦屋があるよ」なんて発信してくれたら広がりも早いですから・・・
誰に向かって商売をするのかによって提供する商品やサービスも異なってきます。
またそれが明確であればあるほどそのようなお客様をスピーディに獲得する術もはっきりとしてきます。
(続く)
by sobayanicolas
| 2011-10-17 23:04
| 蕎麦屋経営の話